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微生物の話サルモネラ属菌による食中毒2024-03-29

サルモネラ属菌による食中毒は令和5年度で25件の報告が厚生労働省から発表されています。
原因食品としては、仕出し弁当や配達弁当等が報告されています。
サルモネラ属菌による食中毒は、卵・肉(鶏・豚・牛)などの食品の加熱不足や、食品取扱者や調理器具等を介しての食品の二次汚染により発生します。
またカメ・ウナギなども保菌し、ペットとしてカメを飼っている人が感染して、サルモネラ症になった事例もあります。


【サルモネラ属菌等の食中毒を予防するには】
・ 十分な加熱を行う(中心温度75℃ 1分間)
・ 食肉用の調理器具を使用し、他の食材用調理器具と分ける
・ 食肉処理後の調理器具、容器の洗浄・消毒を行う
・ 食肉を扱った後は必ず手を洗う
・ ペットと触れ合った後は必ず手を洗う

令和3年6月1日から、原則として、すべての食品等事業者はHACCPに沿った衛生管理に取り組まなければいけません。HACCPに沿った衛生管理は、食中毒を起こさない為の管理方法や管理項目があります。
また定期的に検便検査を行うことで、サルモネラ属菌等食中毒菌の感染を発見することができます。定期的に受けるようにしましょう。

おいしい食事を楽しんでもらうためにも正しく予防して
「安全な食」を提供しましょう









微生物の話牡蠣とノロウイルス2024-02-01

真牡蠣の旬は初秋から初春。まさに今が食べごろであり、“海のミルク”という別名が付けられるほど栄養価が高いことで知られています。一方で牡蠣と言えば食中毒、特にノロウイルスを連想する方も多いのではないでしょうか。

牡蠣とノロウイルスの関係は?
牡蠣を含む二枚貝は海水を大量に取り込み、プランクトンなどのエサを体内に残して排水します。海水中のノロウイルスも同様のメカニズムで取り込まれ、体内で蓄積・濃縮されると考えられています。牡蠣は濃縮に用いられる消化器官である中腸腺も生食するため、食中毒が発生しやすい食品と言えます。

どうやってノロウイルス食中毒の予防をする?
ノロウイルス食中毒を防ぐには、牡蠣のようにウイルスを保持しやすい食品は加熱処理を徹底すること、食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止することが有効です。

/品の加熱処理
ノロウイルス汚染のおそれがある二枚貝などの食品の場合には中心部の温度が 85〜90℃で90 秒以上の加熱で失活化するとされています。しっかりと加熱することを心がけましょう。

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手洗いは、手指に付着しているウイルスを減らす最も有効な方法です。調理を行う前、食事の前、トイレに行った後、汚物処理を行った後(手袋をしていた場合でも)には必ず行いましょう。石けん自体にはウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂などの汚れを落とすことによりウイルスを手指からはがれやすくする効果があります。

D翰器具等の殺菌
ノロウイルスを完全に失活化する方法として次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水や加熱による処理があります。調理器具等は洗剤で十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。牡蠣など二枚貝を扱う際は、専用の調理器具(まな板や包丁等)を用意することで他食材への二次汚染を防止できます。
(参照:厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A)

北九州生活科学センターでは、ノロウイルスの検便検査を厚生労働省が指定する高感度の検査法により行っております。
ご依頼ご相談など、お気軽にご連絡ください。








微生物の話微生物と発酵食品2023-11-30

食品に対し微生物が有益に作用することを「発酵」、有害に作用することを「腐敗」と呼んでいます。古くから様々な微生物を利用し、発酵食品が作られてきました。

発酵食品に使われる微生物
発酵食品に使われる微生物には、みそ、醬油、日本酒などに使われる麴カビ、アルコール発酵に使われる酵母、ヨーグルトや漬物などに使われる乳酸菌、納豆などに使われる納豆菌など様々な微生物が存在し、単独、あるいは組み合わされて利用されています。有用な微生物が優位に繁殖し、悪玉微生物が増殖しないように温度などの発酵条件をコントロールし、発酵させ過ぎないように適度に停止させることが重要です。

発酵食品の作用
発酵食品には、保存性を高める(漬物、干物等)、うまみ成分をつくる(みそ、醤油等)、腸内環境を整える (ヨーグルト等)様々な有用作用があります。これらの効果は単独あるいは、組み合わさってより高い効果が発揮される場合もあります。また、最近は感染症対策としてプラズマ乳酸菌のように、免疫機能増強等の機能性表示食品として認められたものもあります。

発酵食品を上手に使うために
発酵食品には微生物が利用されているため、発酵条件を適度に保つことが重要です。利用する微生物の性質をよく理解し、微生物に合わせた発酵条件を選択する必要があります。また、食品の味付けに味噌、塩麹等の発酵食品を使用する場合、発酵微生物が増殖して味が変化し、短い期間しか賞味期限を設定できない場合があります。発酵食品も殺菌して用いるか、カップ等に小分けする等の対応が必要です。

日本では古くから、各地方で様々な名物の発酵食品が作られ、地方色豊かな食文化に貢献してきました。福岡県でもぬか漬けに用いるぬか床でイワシやサバ等の青魚を数時間煮込んだ“ぬか床炊き”が有名です。ぬか床の“うまみ”が染み込み、青魚の匂いを消し、ぬか床の匂いも煮込むことによって消失しています。レトルトパックになりお手軽に利用できる商品も発売されています。夕食のお供に如何でしょうか。









食品の話輸入食品の安全性と検査2023-09-29

 日本の令和4年度食料自給率はカロリーベースで約40%と低く、食料の安定確保のためには輸入食品に頼らざるを得ない状況です。しかし2008年1月、中国産冷凍食品への農薬混入事案が発生し、輸入食品の安全性は大きく揺らぎました。皆さんも店頭で輸入食品と国産品が並んでいると、値段が高くても国産品に手が伸びてしまうのではないでしょうか。とはいえ、日常生活の中で輸入食品を避けて通ることはかなり困難です。
 では輸入食品の安全対策はどのようになっているのでしょうか?

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日本の規制にあった生産・製造・加工等の管理、輸出国政府による衛生証明書の発行(食肉、食肉製品、フグ等)、輸出前検査等

⇒入時対策
輸入の都度、厚生労働大臣への届出(義務)
検疫所による届出内容の確認(食品衛生法規格基準等に適合するものであるか)
検査での確認

●命令検査:法違反の可能性が高い食品等について、輸入の都度実施を命じる検査
 →検査結果判明まで輸入不可
●モニタリング検査:必要に応じて輸入時検査を強化する等の対策を講じることを目的として、国が年計画に基づいて実施する検査
 →検査結果の判明を待たずに輸入可能
●指導検査等:農薬や添加物等の使用状況や違反情報を参考に、輸入者の自主的な衛生管理の一環として、国が初回輸入時や定期的な実施を指導する検査等
 →検査結果判明まで輸入不可
野菜、食肉については、植物検疫、動物検疫なども受ける必要があります。
食品衛生法違反と判断された場合は輸出国への積戻しや廃棄等の措置が取られます。

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都道府県等で流通食品等の収去(抜き取り)検査

このように輸入食品の安全は3つの対策で確保されています。
安全の確保された食品ですので、私たち消費者も購入したものは適切な条件で管理し、食品ロスの無いように消費していきましょう。









微生物の話黄色ブドウ球菌食中毒について2023-07-31

 食中毒を防止するためには「しっかりと加熱することが大切!」です。しかし、食中毒の中には、加熱だけでは防げないものも存在します。その1つが黄色ブドウ球菌による食中毒です。今回は黄色ブドウ球菌食中毒を取り上げてみたいと思います。

1.黄色ブドウ球菌とは?
 ブドウ球菌属(約60種)は通常、人や動物の皮膚、鼻腔などに存在しています。黄色ブドウ球菌はその中の1つで、傷口や手荒れ部分、また、約40〜50%の健常な人の鼻腔から分離されるとされています。なお、寒天培地上で培養すると黄色く発育するため「黄色」、顕微鏡で観察するとブドウの房状に見えることから「ブドウ球菌」と名付けられています。黄色ブドウ球菌が食品中で増殖すると「エンテロトキシン」という毒素を産生し、この毒素が食中毒の原因となります。

2.なぜ食材を十分に加熱しても食中毒を防げないのですか?
 黄色ブドウ球菌は、一般的な調理の過程で熱により死滅します。しかし、この細菌の産生する毒素「エンテロトキシン」は、100℃ 30分の加熱でも失活しないことが知られており、食材がエンテロトキシンにより汚染していた場合、通常の調理ではこの毒素による食中毒は防げません。

3.黄色ブドウ球菌食中毒の特徴を教えてください
 食べてから平均約3時間後に発症します。主な症状は、嘔吐・腹痛・下痢など他の細菌性食中毒と同様ですが、症状が現れるまでの時間が極めて短いのが特徴です。また、原因となる食品は多岐にわたり、2000年に起こった本菌による大規模食中毒事例では、原因が加工乳であったため、患者は成人・子供・高齢者など様々で、1万4千人を超える患者が発生しました。

4.黄色ブドウ球菌食中毒を予防するにはどうしたらいいですか?
 食材が一旦エンテロトキシンで汚染されると、取り除くのは極めて困難です。そのため、食材に黄色ブドウ球菌を付着させない(手洗いをしっかり行う、マスク、手袋、帽子などを適切に使用する、手指に傷のある人は調理に従事しない)ことが最も重要です。また、菌が増殖しエンテロトキシンを産生する環境・時間を与えないことも効果的です。食材の温度管理は厳重に行い、調理後はなるべく早めに食べるよう心掛けましょう。