情報広場

※ブルダウンからカテゴリを選択していただくと、カテゴリを絞って、情報を閲覧することができます。

水の話貯水槽の衛生管理と簡易専用水道検査2020-03-30

ビルやマンション、学校等への給水には直圧方式と受水槽方式等があり、飲料水を貯めるための貯水槽（受水槽、高置水槽）が設置されているのをよく見かけると思います。このうち、水道水のみを使用し受水槽の有効容量が10㎥を超えるものを「簡易専用水道」といい、簡易専用水道の設置者には法令により管理義務が課されています。
簡易専用水道は正しく管理されることで利用者に安全な水を供給することができます。
 
１．簡易専用水道設置者の管理義務とは？
水道法により簡易専用水道の施設の設置者には、
�｜�水槽を定期的（毎年1回）に清掃すること、�⊃綣善�染防止措置を講ずること、��水質に異常を認めたときなどに水質検査を行うこと、�さ訖紊垢訖紊�人の健康を害するおそれがあるときは給水の停止及び利用者に周知すること等が義務付けられています。
また、設置者は、厚生労働大臣登録検査機関に依頼し、登録検査員による施設及び管理の状況について簡易専用水道の検査を受けなければなりません。
 
２．簡易専用水道検査で何をするの？
�｜�水槽（受水槽及び高置水槽）の内部・外部・周囲検査
��給水栓の水の色・濁り・臭気・残留塩素等の水質検査
��清掃記録等の帳簿及び保管状況の確認
 
３．貯水槽（受水槽及び高置水槽）の内部・外部・周囲検査とは？
簡易専用水道は水道水を利用しているので、通常水槽の清掃が適切に行われ外部からの汚染がなければ、清浄な水が供給されます。そのため貯水槽本体の検査では、周囲に汚染の原因になるものはないか、貯水槽に雨水が入り込むヒビや穴がないか、通気管やオーバーフロー管には虫の侵入を防ぐ網が付いているか、マンホールのふたは防水密閉型になっているか、などを判定基準に基づいて確認します。
 
簡易専用水道を設置する施設の水は、食品事業者をはじめ施設利用者など不特定多数の人が利用します。もし、貯水槽の適切な管理が行われず、汚染された水が人の口に入った場合には、多くの人の健康被害を招くことにつながりかねません。
飲料水の安全・安心の確保に簡易専用水道検査はとても重要なものなのです。
添付ファイル








ページの先頭へ戻る

食品の話飲食店のアレルギー物質表示について2018-05-22

現在、加工食品のアレルギー物質表示については、特定原材料である7品目の表示の義務化が定められ、特定原材料に準ずる20品目の表示が推奨されています。しかし、外食で提供される飲食物については、アレルギー物質に関する表示義務はありません。その理由として以下のことがあげられます。


・外食産業は、全国的に展開するチェーン店から専門店、家族経営による店舗にいたるまで規模が多様であり、すべてのお店が正確なアレルギー物質表示を行うことはむずかしい。

・メニューや原材料の仕入れ先が変更される場合が多い。

・同一の厨房において複数の料理を同時並行的に調理することが多い。

・様々なメニューを手早く調理する必要があり、調理器具からのアレルギー物質の意図せぬ混入防止対策を十分に

とることが難しい。


しかし、ライフスタイルの変化に伴って、もはや外食は日常的な飲食スタイルとなっており、食物アレルギーがある人やその家族にとって、アレルゲン情報の提供を求めるニーズは、外食産業に対してますます高まっていると考えられます。


具体的な表示方法

【店頭ポップ】

　 アレルギー情報提供している場合も管理をしていない場合もお客様にわかりやすく表示（レジ横や壁、レシート等）してください。




【店内メニュー】

文字は見やすく、メニュー名や価格の近くに表記して目につきやすく工夫してください。アレルギー食材の意図せぬ混入（コンタミネーション）の注意喚起表示は、メニューごとではなく、メニュー一覧の最終ページや各ページの最下段等に表示することも可能です。




【別メニューまたは一覧表】

　メニュー別にアレルギー情報提供食材の使用の有無を一覧表にして用意しておき、申し出のある消費者に対して情報の提供を行います。一覧表は個々のメニューが小さな文字で羅列されることがなく、消費者にとってわかりやすい表示となるよう心がけてください。


メニュー名

えび

かに

小麦

そば

卵

乳

落花生

かにしゃぶ


●

●





エビフライ

●


●


●

●











ページの先頭へ戻る

食品の話HACCP（ハサップ）について2017-09-11

HACCPとは

Ｈazard Ａnalysis and Ｃritical Ｃontrol Ｐoint

 

  HACCPとは、食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の危害をあらかじめ分析（Hazard Analysis）し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという重要管理点（Critical Control Point）を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法です。

  この手法は国連の国連食糧農業機関（FAO）と世界保健機関（WHO）の合同機関である食品規格 （コーデックス）委員会から発表され，各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。（厚生労働省HACCPページより抜粋）

 

従来の衛生管理とHACCPによる衛生管理のちがい

 

  従来の衛生管理は施設の清掃や従業員の健康管理などの一般衛生管理により食品を製造し、その安全性は、最終製品の検査で確認していました。HACCPによる衛生管理は、一般衛生管理を基本としつつ、それぞれの施設や取り扱う食品の特性などに応じて、食中毒菌の残存、ガラスや金属などの異物の混入といった食品衛生上の問題が特に起きやすい工程・作業を重点的に管理し、その結果を記録していくという方法により安全な食品が提供できるシステムです。

 

 

HACCP導入のための7原則12手順

 

HACCPと一般衛生管理

 

  HACCPは優れた衛生管理手法ですが、HACCP単独の取り組みでは、食中毒等の危害要因を完全になくすことはできません。一般衛生管理（施設設備、器具の清掃洗浄・保守点検、食品の衛生的取扱い、使用水の衛生管理、従事者の衛生など）をしっかりと行っていないと、毛髪などの異物が混入したり、加熱殺菌をした後に食品が二次汚染されたりして、食中毒が起きるなどのリスクが発生してしまいます。

 

HACCP型衛生管理導入支援

 

  当センターでは食品衛生管理グレードアップ事業の一環として、国が進める衛生管理手法であるHACCPに対応できるようHACCP専門員の育成を図り、HACCP型衛生管理導入支援を始めました。

HACCPの義務化に向け、HACCPの導入、導入後の検証等のお手伝いをいたしますのでご相談ください。


ページの先頭へ戻る

その他特定外来生物「ヒアリ」の拡散を防ごう2017-08-09

特定外来生物「ヒアリ」の国内拡散防止について                                             

                                                       

　平成29年6月初旬、兵庫県尼崎市で確認された特定外来生物「ヒアリ」はその後、６都府県

で生息が確認され、特に神奈川県横浜港本牧ふ頭では「ヒアリ」の定着が確認されています。      

　当センタ-では北九州市保健福祉局の委託事業として衛生害虫相談センタ−を開設してい

ます。衛生害虫相談センターでは衛生害虫等に関する市民からの相談を受け、駆除方法や

防除対策を説明するなどの対応を行い、市民の衛生的なくらしをサポートする目的を持って

おります。                                            

　南米原産の「ヒアリ」は、環太平洋諸国に定着し、輸入経路を経て我が国に侵入しています。

ヒアリは巣から200メートルの範囲内でも、巣に近づこうとしたヒトを襲います。ハチのように

腹部先端の毒針で何度でも刺すことができます。                                            

　強い毒性を持つ「ヒアリ」の国内拡散を防ぐ為、水際対策を強化し、早期発見、早期駆除が

望まれるところです。                                                      

　「ヒアリ」は体長も2.5mmから6.0mmと大きさも様々で、似ている在来種も大変多く、見極め

が難しいアリです。しかし顕微鏡では次のような特徴が確認出来ます。


（環境省製作　ストップ・ザ・ヒアリより引用）


全体は赤茶色で腹部が黒っぽい赤色
（環境省 製作　ストップ・ザ・ヒアリより引用）

土で作られるドーム型の巣
（環境省 製作　ストップ・ザ・ヒアリより引用）

北九州市の港で、ヒアリが住みつきやすいとされる地面の割れ目などをふさぐ緊急の対策工事が始まりました。ヒアリは、コンテナの重みなどでできた地面の割れ目から土の中に入って巣を作るということで、割れ目がある地面を重機で削り取ったあと、新たにアスファルトを注入して割れ目を塞ぐ処置を行います。北九州港では、およそ６０か所で同様の工事が行われるということで、国土交通省北九州港湾・空港整備事務所では「北九州港ではターミナルの周辺にすでに毒入りのエサを設置していますが、今回のターミナル内の工事を合わせて行うことで、水際対策に取り組んでゆく」とのことです。しかし拡散を防ぐもっとも大切なことは、多くの人たちが関心を持って情報を共有することではないでしょうか。「もしかして」・「〜かも」と思われるときは衛生害虫相談センタ−へご連絡下さい。調査員が同定や現地調査を行います。                                                

 衛生害虫相談センタ−　 TEL　５７１-６６３６

　　　                           FAX　８８１-８４８１

 受　付　時　間              平日　８：３０〜１７：１５

 E-ｍａｉｌ                       soudan@klsc.or.jp            
ページの先頭へ戻る

その他ダイオキシン類の毒性メカニズムおよびヒトへの影響について2017-07-05

 

 


 �．瀬ぅ�キシン類の毒性メカニズム

脂溶性のダイオキシン類は体内に入ると、細胞膜を通過し細胞質内の受容体であるアリール炭化水素受容体(AhR, Aryl hydrocarbon Receptor)に結合します（図1）。ダイオキシン類が結合したAhRは細胞質内から核内に移行し、アリール炭化水素受容体核移行因子(ARNT)と複合体を形成した後、さまざまな遺伝子の転写調節領域に結合し、その遺伝子の転写を促進させます。ダイオキシン類による毒性は、遺伝子の転写が促進され,過剰なタンパク質産生を引き起こすことにより毒性を発現するのではないかと考えられています。ダイオキシン類の毒性発現はAhRを持たない動物や細胞では、ほとんど発現しないため、ダイオキシン類の毒性発現にはAhRが必須と考えられています。

 

 

 

 

 

 

 �▲瀬ぅ�キシン類のヒトへの影響

1968（昭和43）年、人類史上始めてヒトがダイオキシン類を摂取したカネミ油症（Yusho）事件が、北部九州を中心とする西日本一帯で発生しました。患者の主な症状として、全身の皮膚、爪、歯茎などに色素沈着や塩素挫創（クロルアクネ）のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様です。こうした症状が改善するには長い時間がかかり、発症から45年以上経過した現在でも症状が続いている方々がいます。ダイオキシン類は化学的および生化学的に安定性が高く、脂肪組織に蓄積しやすいため、慢性的な影響が問題になっています。

【参考】

・ダイオキシン類の毒性を緩和する試み-菜食と栄養セミナー-(平成27年2月　食品の安全確保推進研究シンポジウム「食品の安全を考える」)　九州大学病院油症ダイオキシン研究診療センター・九州大学医学研究院皮膚科学

・ダイオキシン類２０１２(関係省庁共通パンフレット)　環境省ホームページ

 




ページの先頭へ戻る