情報広場
※ブルダウンからカテゴリを選択していただくと、カテゴリを絞って、情報を閲覧することができます。
84 件中 71 〜 75 件目を表示しています。
食品の話自然毒：麻痺性貝毒って？？2013-10-29
皆さんが食べる二枚貝。例えば、アサリ、ハマグリ、カキ・・・などについてお話します。
2013年3月下旬から4月下旬にかけて、大阪湾産の二枚貝から麻痺性貝毒が検出されました。また9月には、宮城県気仙沼湾産の活ホタテから規制値を超える毒量が検出されています。この麻痺性貝毒による中毒は、1977年に三重県(アサリ)、1979年に山口県(マガキ)、1997年には長崎県(カキ)で発生し、多くの患者が出ましたが、自治体などによるモニタリングが実施されるようになってからは、市販品による麻痺性貝毒中毒はおきていません。
また麻痺性貝毒は広い海域に分布するため、世界中で中毒事件が発生しています。
今回は、当センターが検査を行っている貝毒のうち、麻痺性貝毒について紹介します。
 �）竅秬�貝毒とは？ 貝毒とは、主に二枚貝(カキ、アサリなど)が毒素を持った植物プランクトンを餌として食べ、体内に毒を蓄積させる現象のことをいいます。その貝毒は症状により、麻痺性貝毒、下痢性貝毒などに分けられます。 これらの貝毒はそれぞれ原因となるプランクトンが異なりますが、麻痺性貝毒は赤潮を形成する有毒渦鞭毛藻類(貝毒原因プランクトン)などを貝が食べることにより、徐々に毒を体内に蓄積し毒化していきます。これらを餌としている魚介類は、毒化の可能性があります。 麻痺性貝毒の代表的な毒成分は、サキシトキシンです。フグ毒（テトロドトキシン）に匹敵する毒性を持ち、神経系などを強力に麻痺させます。 |  ��中毒症状 麻痺性貝毒による中毒症状はフグ毒とよく似ており、食後30分程度で軽度の麻痺が始まり、次第に全身に広がり、最終的には呼吸麻痺により死亡することがあります。 もし麻痺性貝毒で中毒を起こしても、人工呼吸により呼吸を確保し、適切な処置が施されれば延命できるようです。 ・・・致死量の例・・・ ヒトの致死量は、サキシトキシン換算で1~2mgと推定されています。 例えば・・・ 1gあたり4マウスユニット(注1)の貝毒を持つアサリを食べるとしましょう。 体重60kgのヒトの致死量は約3,000〜20,000MUなので、約750〜5,000gのアサリを食べると致死量になります。 |
 �Ｃ翔蚤从� 毒化した貝類の見極めは外見からはできず、一般的な調理加熱で毒素は分解されません。 日本産貝類による食中毒防止のため、自治体が定期的に有毒プランクトンの出現を監視し、貝毒の毒性試験も実施しています。また、輸入品の二枚貝については、国によるモニタリング検査や、命令検査によって毒性試験が行われています。そこで毒性試験の結果が、規制値(可食部1gあたり4マウスユニット(注１))を超えたものは出荷規制や輸入禁止措置がとられます。 なお貝毒はもともと貝の体内にないため、貝毒原因プランクトンが海域からなくなると毒の蓄積は止まり、その後は次第に体内から減少し、毒がなくなれば再び貝を食べることができます。 |
＜注１＞マウスユニット(MU)ってなに？ 毒量の単位としてMUを用います。 麻痺性貝毒の場合、体重20gのマウスを15分間で死亡させる毒量を1マウスユニット(MU)と定義しています。 規制値は可食部1gあたり4マウスユニットです。 参考として・・・ マウスユニットの定義は毒素によって異なってきます。 例えば、同じ貝毒の下痢性貝毒は、体重20gのマウスを24時間で死亡させる毒量を1マウスユニット(MU)、フグ毒なら体重20gのマウスを30分で死亡させる毒量が1マウスユニット(MU)と定義されています。 |
 �じ〆妻�法 日本での麻痺性貝毒の検査・定量は、マウスを用いた毒性試験が公定法となっています。0.1mol/L塩酸で加熱抽出した試験液をマウスの腹腔内投与し、マウスの致死時間から、マウスユニットに換算して毒量を求めます。 |
（公財）北九州生活科学センターは、公益財団法人として様々な試験検査を通じて地域の皆様の安全・安心な社会づくりに貢献してまいります。 参照；厚生労働省、農林水産省ホームページなど |
その他血液中ＰＣＢ等の分析方法の研究について2013-09-27
血液試料中のＰＣＢ等の分析方法についての共同研究が福岡医学雑誌の特集号〔油症とＰＣＢ及びダイオキシン関連化合物〕に掲載されています。
添付ファイルをクリック！
油症とは？
ＰＣＢ及びその誘導体に汚染された食用油（カネミ倉庫製の米ぬか油）を摂取したため生じた中毒症。
にきび状の皮膚病変・吐き気・食欲不振・肝臓障害・脱力感などの病状を呈した。
詳しい情報は→厚生労働省ホームページ カネミ油症について
ＰＣＢとは？
ベンゼン環が2個連結したビフェニルに塩素原子が1から10個連結した一群の化合物。塩素の結合位置と個数の違いにより209種類ある。化学的安定性・電気絶縁性等の特性を持ち、様々な用途に用いられた。
1968年に発生した油症事件は、米ぬか油の脱臭工程で熱媒体として使われていたＰＣＢが製品に混入して引き起こされた。
水の話プール水の衛生管理2013-08-16
８月に入りいよいよ夏本番！連日猛暑が続いております。
少しでもこの暑さを和らげるためにプールに行かれる方も多いのではないでしょうか。
公益財団法人北九州生活科学センターでは、快適にプールをお楽しみいただくために、
水質検査を通してプール水の衛生管理のお手伝いをしています。
今回は、プール水の検査項目と各項目の基準値等についてお知らせ致します。
 項目 ： 水素イオン濃度 （ｐH） 基準値 ： 5.8以上8.6以下 説明 ： ｐH7.0（中性）付近が良いとされています。数値が大きいとアルカリ性、小さいと酸性を示します。 項目 ： 濁度 基準値 ： ２度以下 説明 ： 水の濁りの度合いを数値で表したものです。水質基準は、視野確保のために、肉眼でほとんど透明と認める限度です。 |  項目 ： 過マンガン酸カリウム消費量 基準値 ： 12mg/L 説明 ： 水に溶け込んでいる汚れの基準です。 水質汚染を判断するうえでの重要な指標です。プール水中の有機物の多くは入泳者が持ち込む汚れ成分になります。 項目 ： 遊離残留塩素 基準値 ： 0.4mg/L （1.0mg/L 以下が望ましい） 説明 ： 塩素消毒の指標です。感染症などを予防するなど、衛生管理上重要となります。 |
 項目 ： 大腸菌 基準値 ： 検出されないこと 説明 ： 糞便等の汚染の指標です。遊離残留塩素が確保されていれば、検出されることは少ないです。 項目 ： 一般細菌数 基準値 ： １ml中 200コロニー以下であること 説明 ： 細菌汚染の指標です。屋外プールでは、落ち葉や周辺からの土壌にも付着している菌です。遊離残留塩素濃度が保たれていなければ、頻繁に検出されます。 |
 項目 ： 総トリハロメタン類 基準値 ： おおむね 0.2mg/L 以下が望ましい 説明 ： 消毒剤の塩素と有機物が反応して生成するものです。検査は、水温が高く遊泳者が多い時期に１回以上となります。 （健発第0528003 号：遊泳用プールの衛生基準について） |
 プールの水質管理について プール（施設）を管理する上で、プールでの感染病を防ぐために遊離残留塩素濃度の管理が重要となります。塩素剤が適切に追加されていなければ、入泳者が急に多くなったときには、汗や垢などにより短時間で消費されますし、天候によってもその消費スピードは増します。機械による自動管理を過信することなく適切に管理を行うことが必要です。 プール（施設）を介してひろがる感染症 ・咽頭結膜熱（プール熱） ： 発熱、咽頭痛、結膜充血 ・流行性角結膜炎（はやり目） ： 眼けん充血、浮腫、流涙 ・手足口病 ： 口腔・手掌・足底などの水泡 このほかにも、プール（施設）での感染症はたくさんあります。プール（施設）で病気に感染しないために次のことに注意をしましょう。 ・ 傷口や下痢があったり、病気にかかっているときは、プールに入らない。 ・ プールに入る前やトイレ利用後は、シャワーでしっかり身体を洗う。 ・ タオルの貸し借りをしない。 ・ 水の中でつばを吐いたり、水を飲み込まない。 |
 以前は、プール水の浄化施設が無いために、体の汚れで直接プールの水質を悪化させることのないように入泳前に腰洗い槽が使用されてきましたが、近年は循環式ろ過装置や消毒薬の自動注入装置の普及により腰洗い槽も使われなくなったようです。 気温が高くない日など、シャワーの中を駆け足で走りぬける子どもたちを見かけますが、これでは水質はすぐに悪化してしまいます。 プールに入る前やトイレを利用した後に腰洗い槽につかったりシャワーなどで充分に身体を洗うことでプール水汚染の軽減がはかられるので、設備を保有するプール（施設）では積極的に腰洗い槽を使用することをお薦めします。 最後に、プール水の水質検査は、プールの使用期間中に使用日数の積算が３０日を超えない範囲で少なくとも１回以上行って下さい。総トリハロメタンについては、使用期間中に１回以上適切な時期に測定を行います。 暦の上では秋ですがまだまだ暑い日が続きます。プールで涼むなどして健康管理に充分にお気をつけ下さい。 最後までご覧いただきましてありがとうございました。 |
異物の話食品中の異物事例62013-05-24
 Q:お弁当を食べていると硬いものを噛んでしまいました。確認すると金属片が！このようなものがどこから混入したのでしょうか？
A：検体は確かに銀色の金属片でした。以前、紹介したアルミ片のようにも見えます。観察すると片面は銀色だったのですが・・・ |  もう一方の面は灰色でした。続いて蛍光X線分析装置で金属元素を測定したところ、金、銀、銅及びパラジウムが検出されました。このような金属は歯科鋳造用に利用されており、検体は銀歯であることがわかりました。片面のみ銀色であったことも納得です。
製造ラインで人為的に混入することがないとは言い切れませんが、食事中に銀歯が取れて噛んでしまった可能性の方が高いでしょう。 |
地域活動の話平成２４年度に行った地域への主な取り組みのご紹介��2013-05-10
当センターが平成２４年度に行いました、地域への主な取り組みについてご紹介いたします。
 ○ ５月： 北九州市による東日本大震災がれき受入れ 北九州市による、宮城県石巻市からのがれき受入れの際には、本格的な受入れ前の試験焼却において、地域の検査機関として放射能濃度測定を受託させていただきました。 |  当センターでは、常に地域の皆様のニーズに応えられるよう、日々さまざまな分野の検査体制を整えるべく努力しております。放射性物質検査においても、北九州ではいち早く測定装置を導入し、検査体制を整えておりましたことで、地域の皆様の安心安全を保証することに貢献できました。 |
 ○ ７〜９月 ： 節電への取り組み 当センターでは一昨年より節電への取組みを進めておりますが、昨夏は特に電力需給状況がひっ迫したため、それまでよりもさらに節電対策を強化し、その前年比で最大需要電力、７〜９月の３ヵ月間の総電力使用量ともに−９％を達成しました。このことにより、社会的な節電要請に大きく応えることができました。 |
 |
 ○ ７月： 放射能に関する研修会 公益活動推進の一環として北九州市教育委員会の御協力をいただき、北九州市中学校理科教員サークルの先生方を対象に、産業医科大学アイソトープ研究センター副センター長の馬田准教授を講師としてお招きして、放射能に関する研修会を実施いたしました。 |
 原発事故後に関心の高まった、「放射能」に関する正しい知識の普及啓発活動は、公益法人である当センターの重要な役割であると考え、当センターが保有する放射性物質測定器等を活用した研修会を企画、実施いたしました。 今後もその時々で、ニーズに合った情報提供を積極的に実施して参りたいと考えております。 |
