情報広場

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環境の話PM2.5について2014-03-26

昨年(2013年)1月に中国ではPM2.5の汚染状況が「歴史上まれにしかみられないほど」(中国気象局)とされ、さらに北京市内の多くの観測地点で環境基準の10倍ほどの濃度に達していると報道され、日本国民の関心が急速に高まり2013年2月には環境省が「注意喚起のための暫定的な指針」を設けています。

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そもそもPM2.5とは何なの?
PM2.5とは空気中に浮遊している直径2.5μm(マイクロメートルまたはミクロンとも呼ぶ。2.5μmは2.5mmの1000分の1)以下の小さな粒子の総称です。呼吸することで人の肺の奥深くまで入り込みやすく、呼吸器や循環器系疾患への影響が心配されています。

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PM2.5成分について

PM2.5は2.5μm以下の微粒子というだけでその成分は多種多様です。その中には有機化合物、アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、金属成分あるいは排煙中の黒色炭素など様々なものが含まれています。





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PM2.5の発生源は?
自然発生源として土壌、火山(噴煙)、海洋(塩粒子)等があり、人為起源として自動車・航空機・船舶などの排出ガスまたはコークス炉、鉱物の堆積場などの粉じん発生施設などがあります。






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PM2.5生成について
物の燃焼などによって直接排出される一次粒子と大気中での光化学反応などによりガス成分(VOC〔揮発性有機化合物〕、NOx〔窒素酸化物〕、SOx〔硫黄酸化物〕など)から生成される二次粒子に分けられます。



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PM2.5の環境基準について
大気汚染の指標の一つとして微小粒子物質(PM2.5)の環境基準が平成21年9月に環境省から告示されています。1年平均値が15μg/㎥以下であり、かつ1日平均値35μg/㎥以下となっています。












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PM2.5の測定装置について
公定法として「微小粒子状物質による大気の汚染に係わる環境基準について」が平成21年に環境省より公示されています。測定はろ過捕集による質量濃度測定方法またはこの方法によって測定された質量濃度と等価な値が得られると認められる自動測定器を活用すると定められています。


観測値などの情報源について
日本各地の大気測定局に装置が設置され観測値がウェブサイト等で公表されています。
Link:大気汚染物質広域監視システム
    (環境省:そらまめ君)
   福岡県の大気環境状況



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PM2.5に対して個人でできる予防について
●居住地のPM2.5濃度をチェックする
●屋外での長時間の激しい運動や外出を出来るだけ減らす
●マスクを使用して外出し、帰宅時に手洗い、うがいを励行する
●屋内では換気や窓の開閉を出来るだけ少なくする
●呼吸器や循環器系の疾患のある方、小児高齢者の方、小児、高齢者の方は体調に応じてより慎重に行動することが重要です


 

水の話近代水道とは?2014-01-28

みなさんは、『近代水道』という言葉をご覧になってどのようなものを想像するでしょうか。これは将来開発される新たな水道技術などではなく、ふだんから蛇口などを通して飲み水や洗濯などに使っている上水道のことです。

近代水道』の定義は、外部から汚染されないように鉄管や近年ではステンレス管などの閉じた導管を使い、ろ過・消毒などを行った人の飲用に適する水を、圧力をかけて常に供給する施設の総体のこととされています。

日本における最初の近代水道は、明治20年に横浜市に布設されました。

それまでに水道と呼ばれるものは、木製の樋(とい)に川の水を引き込み、その水を炭や砂でろ過して使っていたという記録があります。
ただし、この木樋(もくひ)水道は、木管が腐って穴が開き水が漏れたり、外部からの汚水が浸入することがあるため水質には問題があり、コレラなどの伝染病を広げる一因となっていました。

日本の『近代水道』布設の目的の一つは、コレラ菌など伝染病の感染を防ぐことにありました。
明治10年9月長崎に来航したイギリスの商船からコレラ菌患者が発生し、横浜市でも明治10年、12年、15年、19年にコレラが大流行しましたが、近代水道が布設された明治20年以降は横浜市内のコレラ感染者数は10人以下に抑えられています。
近代水道』の普及によって清潔な飲料水を確保できるようになり、コレラ、赤痢、腸チフスの水系伝染病の発生を防ぐ事が出来るようになりましたが、他にも役立っていることがあります。

それは、近代水道を利用した消火活動です。ポンプもない時代では技術的にも限界があり、消防活動の中心は、火災周辺の住宅を破壊して延焼を防ぐ破壊消火(除去消火法)であり、消防技術としては龍吐水や水鉄砲など小規模の火を水で消すため道具が作られた程度でした。
現在では、水道管の布設に伴い北九州市内では主に地下式消火栓が設置され、火災発生時の際の消火活動にも『近代水道』が役立てられています。

『近代水道』の普及により、わたしたちは蛇口を開ければ安全でおいしい水を飲むことが出来るようになりました。しかし、飲料水の源となるダムや河川の環境が悪化すれば、飲料水の水質にも影響するかもしれません。これからも安全・安心な水を確保するために、わたしたち自身が水源環境の保全に努めていかなければいけません。
当センターも安心して水を飲んでいただくために水質検査の専門家として、水の健康を維持するお手伝いをさせていただきます。

食品の話食品表示法について2013-12-16

食品の表示は法律の目的を異にする「食品衛生法」「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」「健康増進法」等の3つの法律によって規定されており、重複あるいは用語が不統一の状態で管理・運用がなされています。

このように食品表示制度が複数の法律に分かれて規定されていた為、消費者にとって用語の不統一など、分かりにくいものとなっており、また、事業者の遵守コストの増加をもたらしている事などから、3つの法律の食品表示に関する一元化を図る目的で平成25年度6月28日に「食品表示法」が制定されました。

食品表示法について

食品表示法は「食品衛生法、健康増進法及び農林物資の規格化等に関する法律による措置と相まって、国民の健康の保護及び増進並びに食品の生産及び流通の円滑化並びに消費者の需要に即した食品の生産の振興に寄与することを目的とする。」とあり、後述の3法と消費者基本法を踏まえた食品表示の統合と包括的かつ一元的な制度として制定されました。

食品表示に関しては同法第4条・第5条および府令「食品表示基準」として「名称・原産地(生鮮食品)・原材料名・アレルゲン・遺伝子組み換え表示・添加物・内容量・消費期限若しくは賞味期限・保存方法・原産国(輸入品)・原料原産地・事業者の名称及び所在地・栄養成分及び熱量並びにその表示方法・表示に用いる文字の大きさ」等が規定されています。

食品衛生法における食品表示について

食品衛生法は「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。」とあり、食品表示は食品安全性の確保の為に公衆衛生に関する情報が規定されています。

具体的には、同法第19条および府令として「名称・消費期限若しくは賞味期限・製造所所在地、製造者等名・添加物・アレルギーに関する情報・保存方法」等が規定されています。

JAS法における食品表示について

JAS法は「農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資し、もつて農林物資の生産及び流通の円滑化、消費者の需要に即した農業生産等の振興並びに消費者の利益の保護に寄与することを目的とする。」とあり、食品表示は消費者の選択を資するための品質に関する情報が規定されています。

具体的には、同法第19条および「加工食品品質表示基準」により「名称・原材料名・内容量・消費期限若しくは賞味期限・保存方法・原産国(輸入品)・原料原産地・製造業者等の名称及び住所・表示に用いる文字の大きさ」等が規定されています。


健康増進法における食品表示について

健康増進法は「国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とする。」とあり、食品表示は国民の健康の増進に関する情報が規定されています。

具体的には、同法31条および「栄養表示基準」により「栄養成分の量及び熱量並びにその表示方法・栄養成分の高いもしくは低い旨の表示に関する基準」等が規定されています。

微生物の話ノロウイルスに気を付けましょう!2013-11-29

ノロウイルスによる急性胃腸炎が流行し始めました!
この感染症は、年間を通して患者はみられますが、主に11月から3月の冬季に多発します。
・どうやって感染するの?
 ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。
○感染者のウイルスが大量に含まれる便や吐物などから直接もしくは二次的に感染する場合
○家庭や共同生活施設等、ヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合
○調理などを行う食品取扱者が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
○ノロウイルスに汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
○ノロウイルスに汚染されたり消毒不十分な井戸水等の飲料水を摂取した場合
などがあります。
・潜伏期間や症状は?
 潜伏期間(ウイルスに感染してから発症するまでの期間)は24〜48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これらが1〜2日ほど続いた後治癒し、後遺症もありません。ただし、免疫力の低下した老人や乳幼児では長引くことがあり、激しい嘔吐や下痢による脱水症状に気を付ける必要があります。
 また、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。
 ・ノロウイルスの検査方法は?
 ノロウイルスの検査方法には、糞便中のノロウイルスの抗原を検出するEIA法やイムノクロマト法があります。しかしこの検査では、ノロウイルスに感染していても陽性とならない場合があります。
 より確実にノロウイルスを検出するには、患者の糞便や吐物を用いて直接ノロウイルスを確認する電子顕微鏡法やRT-PCR法、リアルタイムPCR法などの遺伝子を増幅して高感度に検出する遺伝子検査法があります。
・予防法は?
○食事の前やトイレの後には、せっけんを使ってしっかりと手洗いをし、タオルなど共用で使用するのを避けることも必要です。
○下痢や嘔吐などの症状がある場合は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
○食品中のウイルスは、加熱により感染性をなくすことができます。ノロウイルスの感染のおそれのある二枚貝などの食品は、中心部が85〜90℃で90秒以上加熱しましょう。
○便や吐物の処理をする時は素手で触らず、必ずビニール手袋を使用しましょう。汚物の消毒は市販の塩素系消毒剤(漂白剤)を希釈したものを使用しましょう。
  感染予防の基本は手洗いです!石けんにはノロウイルスを直接失活させ消毒する効果はありませんが、ウイルスを手指から取り除きやすくする効果があります。
 また、これからの時期はインフルエンザ予防にも手洗いは大切です!
しっかりと対策をし、ウイルスから身を守りましょう!

地域活動の話水辺教室を開催しました2013-10-31

 例年実施しております、小学生を対象とした水辺教室を、今年も(公財)北九州市環境整備協会との共催で、北九州市内の小学校にて9月26日に開催いたしました。
  当日は小学4年生と5年生の約30名で、小学校の近くを流れる紫川の、上流域と中流域の2か所に分かれて、それぞれ川に入り、川の水質の指標となる水生昆虫を中心とした生物を採集しました。
  天候にも恵まれ、子供たちは皆熱心に採集を行いました。
 
  さまざまな生き物が採れました。普段見慣れない生き物も多く、びっくりする子供もいました。
  採集後は理科室にて分類を行い、水質の指標となる生物の出現割合から、川の水質を判定しました。
 この場所では、比較的きれいな水質であるという結果がでました。子供たちは、自分たちの住む地域を流れる川の水質がきれいであることを知り喜ぶとともに、今後もずっとこの環境を保てるように、大切にしていきたいという意識が芽生えたようでした。