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食品の話調理場の衛生管理2022-02-28
令和2年6月から義務化されている「ＨＡＣＣＰの考え方を取り入れた衛生管理」に一般衛生管理として衛生的な調理器具の管理や交差汚染の防止等が定められています。調理場での衛生管理が不十分だと、鼠や虫の発生や食中毒の原因となることがありますので、洗浄・消毒を十分に行い、清潔に保つようにしましょう。
器具の洗浄・消毒
細菌は食品の残渣を栄養源として増殖します。日々の洗浄が不十分だと、汚れが熱や乾燥によって変性し、洗浄が難しくなってしまいますので日常的に汚れを残さない事が大切です。使用の都度洗浄・消毒するようにしましょう。
また二次汚染防止のため、まな板や包丁等の器具類、ダスターは用途別に使い分けるようにしましょう。色分けや用途を記入しておくと区別が容易です。
設備の洗浄・消毒
一日の作業終了後にシンクや床等の設備も清掃しましょう。シンクや調理台は中性洗剤等で洗浄し、特に手が頻繁に触れる所についてはアルコールを浸したペーパータオル等で拭きあげるとよいでしょう。また、床が濡れている状態は細菌やカビの原因になるほか、水が跳ね返って食品を汚染してしまう恐れもあります。清掃後は水切りを行うなど、乾いた状態を保つようにしましょう。
段ボールは害虫や鼠のすみかになりやすいので、厨房に置かないようにしましょう。床に物を直置きしないようにし、清掃しやすいようにしておくと良いでしょう。
従業員の衛生管理
調理する人を介して食中毒が起こる場合があります。調理する従業員の健康管理・衛生管理に注意する事が大切です。
・調理場専用の履物
・衛生的な服装（清潔な白衣や帽子の着用）
・定期的な検便検査等の実施
・正しい手洗い
等を心掛け、人を介しての汚染が起こらないように注意
しましょう。
食品の話期限表示の設定と日持ち検査について2021-12-27
食品の新商品が出来たとき、その商品がどのくらい日持ちするのかを決める必要があります。未開封の状態でその商品の品質を保持できる期間が【消費期限・賞味期限】です。
食品の期限表示(消費期限・賞味期限)は食品表示法に基づき食品表示基準で定められています。この期限表示は消費者が食品を購入し、正しく使用するための大切な情報源です。
【消費期限と賞味期限はどう違う？】
『消費期限』
定められた方法により保存した場合において、「安全に食べられる期限」のことです。期限を過ぎたら食べないようにしてください。傷みやすい食品に表示され、5日以内のものに設定されます。
例：弁当、ケーキ、惣菜など
『賞味期限』
定められた方法により保存した場合において、「品質が変わらず美味しく食べられる期限」のことです。この期限を過ぎても、すぐに食べられないということではありません。
例：スナック菓子、カップ麺、缶詰など
【期限表示の設定方法※】
期限表示の設定は食品事業者が食品の特性等に応じて、微生物試験(一般細菌数、大腸菌群数等)、理化学試験(pH、水分活性、酸価、過酸化物価等)、官能試験(外観、味、臭い等)の結果等を含め、科学的・合理的な根拠に基づいて期限を設定する必要があります。また、試験により品質の安全等を保証できると確認できた期限の1未満の係数0.7〜0.9(安全係数)を乗じた期限を設定することが基本です。
※「食品期限表示の設定のためのガイドライン」(平成17年、厚労省･農水省)を参照
【日持検査の検査例】
例)そうざい(10℃以下 要冷蔵品)の消費期限を製造日含め4日間に設定したい場合。
試験項目※：微生物試験(一般細菌数：1.0×105/g以下、E.coli：陰性、黄色ブドウ球菌：陰性)
官能試験(外観、味、臭い：異常なし)
※弁当及びそうざいの衛生規範を参照
期限の設定方法
�＾汰慣舷瑤鮃洋犬掘�5日間(5日間×0.8倍[安全係数]＝4日間)、10℃で冷蔵保管する。
�∧欖標紂�官能試験にて外観等で問題がない事を確認後、微生物試験検査を実施する。
※必要に応じて保管前・保管中にも検査を実施することで菌数等を比較する。
�Ａ瓦討慮〆佐霆爐鯔�たした場合、消費期限(製造日含め)を4日間と設定することが妥当であると判断できます。
微生物の話ノロウイルス食中毒にご注意2021-10-29
食中毒は夏だけではありません。ノロウイルスによる食中毒が冬に多発しています！
ノロウイルスってどんなウイルス？（ノロウイルス食中毒の特徴）
�．離蹈Εぅ襯垢魯Εぅ襯浩�食中毒の原因物質であり、その感染経路はほとんどが経口感染です。潜伏期間（感染から発症までの時間）は24〜48時間で、ウイルス性急性胃腸炎を発症して、嘔吐・下痢などの症状が出ます。
�▲離蹈Εぅ襯垢砲茲訖�中毒や感染性胃腸炎は1年を通して発生していますが、特に冬場に増加します。現在、ノロウイルスはワクチンがなく、抗ウイルス薬もないため治療は輸液等の対症療法しかありません。したがって、感染予防がとても重要となります。
どうやったら食中毒を防げるの？（ノロウイルス食中毒の予防法）
�ー蠕�いは、手指に付着しているウイルスを減らす有効な方法です。一般的な感染症対策としても丁寧な手洗いや二度洗いは、とても有効な方法ですが消毒用エタノールはノロウイルスに効果が弱いとされています。
�▲離蹈Εぅ襯垢鮗些莢修気擦詈�法として加熱処理や次亜塩素酸ナトリウムによる処理があります。ノロウイルス汚染のおそれがある二枚貝などの食品の場合には中心部の温度が85〜90℃で90秒間以上の加熱で感染性が失われるといわれています。まな板や包丁などの調理器具等の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが有効です。調理器具等を十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm程度)で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
参照：厚生労働省 ノロウイルスに関するQ＆A
北九州生活科学センターでは、ノロウイルスの検便検査を厚生労働省が指定する高感度の検査法により行っております。
ご依頼ご相談など、お気軽にご連絡ください。
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異物の話食品中異物について2021-08-30
近年、「食の安全・安心」への関心が高まり、「食品中の異物」関連のニュースが報道されることや飲食店における異物混入事故がSNSに投稿され話題となることがあります。食品中への異物混入は可能な限り防止しなければなりません。また、混入の事実が明らかになった場合、迅速な原因究明と再発防止策が求められます。
●食品中異物とは？
食品中異物とは、「生産、貯蔵、流通、販売に至る不適切な取扱い方に伴って、食品中に混入、侵入あるいは迷入した有形外来物」を対象としています。しかし、消費者個人により異物の定義(違和感)は異なります。原材料を含め全てのものが異物になる可能性を秘めているのです。
●食品中異物の種類について
・生物 ハエ、ゴキブリ、虫卵、幼虫、寄生虫等
・動物性 人毛、獣毛、歯、爪、ネズミの糞、原材料由来
（骨・殻・皮・鱗他）等
・植物性 木片、紙片、糸、繊維、原材料由来（種・ヘタ・他）等
・鉱物性 ガラス片、石、砂、金属、錆、合成樹脂（プラスチック・ゴム他）等
・その他 製品の汚れ・変色、異臭、ゴミ、化学薬品等
異物の中でもガラス片・金属片・硬質プラスチックなどは不快なだけでなく、体を物理的に傷つける可能性があります。洗剤・殺菌剤などの化学薬品も健康被害につながる可能性があり、これらは「食品安全上の異物」とも言えます。また、ゴキブリやネズミなどの衛生害虫に関係する異物は病原菌による汚染が疑われ、「食品衛生上の異物」として取り扱われます。
●異物混入対策について
2020年6月に改正食品衛生法が施行され、「HACCP（ハサップ）に沿った衛生管理」が求められます。対象となる異物によってその対策は異なりますが、5S活動の徹底、施設・設備・調理器具等の清掃・洗浄・消毒及び定期的なメンテナンス、使用する化学薬品の選定や管理、害虫類の生息状況の確認及び駆除などがあげられます。また、施設の管理者やスタッフが異物についての共通認識を持ち、情報を共有して対応することも重要です。
環境の話調理施設での衛生害虫の発生防止とその駆除2021-06-30
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で多くの飲食店が休業している北九州市の繁華街で、ねずみの大群が出没しています。ねずみの駆除業者は休業で餌が少なくなったことなどから活発に活動しているのではないかと指摘しています。
なぜ、ねずみが通りに大群出没したのか？
・人通りが減って警戒心が低くなっている。
・飲食店の休業で道路脇の生ゴミなど、餌となるものが少なくなった。
などが考えられます。
ねずみの害とは？
ねずみの被害といえば食材をかじる、糞で汚す、断熱材に巣を作るといった印象がありますが、最も恐ろしいのは人に直接被害を与えることです。ねずみの糞尿には病原菌やウイルスが含まれ、それらが撒き散らされ不衛生な環境になり感染症等が発生する事があります。人の肉をかじることも稀にあり、無抵抗な赤ちゃんや老人などが被害に遭い、ねずみが持つウイルスに感染（鼠咬症）や、アナフィラキシーショックを引き起こすなどにより死者が出る事もあります。ねずみは繁殖力が高く、非常に学習能力の高い賢い生き物ですので、形跡、目撃があれば、早期の対策が必要です。
対策はどのようにすればよいか。
北九州市での報道は繁華街の通りのことですが、繁華街以外の店舗、食品加工場なども例外ではありません。休業中に餌となるものを求めて外部から侵入している可能性があります。対策のポイントはネズミに対して警戒心をもたらすことです。例えば原材料、製品、包装資材を時折動かし、常に人がいることを意識させ、生息し難い環境にすることです。そして餌となる生ゴミなどの保管及び管理に注意すること、施設内の適切な清掃、洗浄、定期的な物品整理を行うことが的確な防除方法となります。
ねずみ及び昆虫対策 食品衛生法施行規則 別表第１７−５ ねずみ及び昆虫対策 イより抜粋
施設及びその周囲は、維持管理を適切に行うことができる状態を維持し、ねずみ及び昆虫の繁殖場所を排除するとともに、窓、ドア、吸排気口の網戸、トラップ及び排水溝の蓋等の設置により、ねずみ及び昆虫の施設内への侵入を防止すること。
