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食品の話HACCP管理「振り返り」できていますか?2024-05-31

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が完全義務化され、4年目を迎えようとしています。
HACCPに取り組まれている事業者の中には、日々の点検記録において管理基準から逸脱することもないため、記録自体が形骸化してしまっているという話も出てきています。そこで、今回は「小規模な一般飲食店事業者向け」の手引書から「振り返り」についてお話します。

衛生管理の記録は定期的に確認を行っていますか? 
顧客からのクレームや衛生上気付いたことなど、同じような問題が発生している場合は、同一の原因があると考えられます。
 同一の問題が起こる場合は【4. 改善】を行い【1. 計画】を練り直して【2. 実行】してみましょう。
HACCPは下記の図のようなPDCAサイクルを回しながら、少しずつ衛生状態の底上げを図り、より良い衛生環境を整え、安全な食品を提供するための手段です。
これから暑い季節がやってきます。例えば冷蔵庫や冷凍庫の開閉回数が増えると、庫内の温度が管理基準を超えることがあります。このような場合には温度調節を低めに設定するなどの改善をしましょう。また記録を見直す際、「否」となった事項については「特記事項」でどのように対応していたか、その対応内容を検証して適切に対処できていたか、再発防止対策は適切なのかを確認しましょう。









食品の話輸入食品の安全性と検査2023-09-29

 日本の令和4年度食料自給率はカロリーベースで約40%と低く、食料の安定確保のためには輸入食品に頼らざるを得ない状況です。しかし2008年1月、中国産冷凍食品への農薬混入事案が発生し、輸入食品の安全性は大きく揺らぎました。皆さんも店頭で輸入食品と国産品が並んでいると、値段が高くても国産品に手が伸びてしまうのではないでしょうか。とはいえ、日常生活の中で輸入食品を避けて通ることはかなり困難です。
 では輸入食品の安全対策はどのようになっているのでしょうか?

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日本の規制にあった生産・製造・加工等の管理、輸出国政府による衛生証明書の発行(食肉、食肉製品、フグ等)、輸出前検査等

⇒入時対策
輸入の都度、厚生労働大臣への届出(義務)
検疫所による届出内容の確認(食品衛生法規格基準等に適合するものであるか)
検査での確認

●命令検査:法違反の可能性が高い食品等について、輸入の都度実施を命じる検査
 →検査結果判明まで輸入不可
●モニタリング検査:必要に応じて輸入時検査を強化する等の対策を講じることを目的として、国が年計画に基づいて実施する検査
 →検査結果の判明を待たずに輸入可能
●指導検査等:農薬や添加物等の使用状況や違反情報を参考に、輸入者の自主的な衛生管理の一環として、国が初回輸入時や定期的な実施を指導する検査等
 →検査結果判明まで輸入不可
野菜、食肉については、植物検疫、動物検疫なども受ける必要があります。
食品衛生法違反と判断された場合は輸出国への積戻しや廃棄等の措置が取られます。

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都道府県等で流通食品等の収去(抜き取り)検査

このように輸入食品の安全は3つの対策で確保されています。
安全の確保された食品ですので、私たち消費者も購入したものは適切な条件で管理し、食品ロスの無いように消費していきましょう。









食品の話二枚貝(アサリ・ハマグリ・カキなど)の貝毒について2023-03-01

 二枚貝の毒化は渦鞭毛藻など海水中の有毒プランクトンを捕食した二枚貝が毒を体内に蓄えることによって起こります。毒化した貝を食べる事で中毒症状が起こることがあります。これを一般的には「貝にあたる」と言います。この毒素は加熱により無毒化されることはありませんし、蓄積により貝の食味が変化することもありません。
今回は、(公財)北九州生活科学センターが検査を行っている「貝毒」について紹介します。

1.貝毒による中毒とは?
 毒化した貝を食べることで神経系や消化器系に起こる中毒症状のことです。
 毒性をもつプランクトンは熱帯海域から温帯海域まで広く分布しており、日本でも北海道から沖縄までの各地で中毒が発生したことがあります。二枚貝だけでなくこれらのプランクトンを餌にする動物は全て毒化する危険性をはらんでいます。そのため国では定期的に海水中のプランクトンや貝の検査を行い、貝に含まれる毒の量を検査し安全を確かめています。麻痺性貝毒の規制値は可食部1グラムあたり4マウスユニット、下痢性貝毒の規制値は可食部1kgあたり0.16mgオカダ酸当量と定められています。いずれの貝毒も規制値を超えて検出された場合は出荷停止措置が執られます。この措置は、貝自身の代謝により貝毒がなくなったことが検査で確認されれば解除されます。

2.主な症状
 麻痺性貝毒中毒症状は、フグ毒の中毒症状に類似しており、食後30分程度から軽度の麻痺が始まり、次第に全身に広がります。重症の場合には呼吸麻痺を起こして死に至る事もあります。
 下痢性貝毒中毒症状は、消化器系の障害で、激しい下痢、吐き気、嘔吐などの症状が食後30分から4時間以内の短時間で起こります。通常は3日以内に回復することが多く、後遺症はなく、死亡例もありません。

3.分析方法
 麻痺性貝毒は「食品衛生検査指針、理化学編」に従い、マウス毒性試験法で定量分析しています。
 下痢性貝毒は、国際的に機器分析法が導入されています。当センターでも液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計を用いた機器分析でオカダ酸群を定量分析しています。









食品の話HACCP 始めていますか?2022-05-02

 平成30年の食品衛生法改正ですべての食品事業者に原則HACCPに沿った衛生管理が制度化されました。令和3年6月に経過措置期間も終了しましたので、衛生管理計画を作成し、実行し、その記録をしていないといけません。飲食店の皆さんを中心にご説明します。

●HACCPって何をすればいいの?
 営業者の皆さんが実施するのは次の4つです。
衛生管理計画を作って、従業員の皆さんに説明して理解してもらう。
清掃方法や食品の取扱方法等に具体的な方法を定めた手順書を作る。
衛生管理の実施状況を記録し、保存する。
そして、定期的に振り返り、必要に応じて見直す
 既に作成済みの飲食店の皆さんもおられると思いますが、厚生労働省のウェブサイト等で配布されている手引書を参考に衛生管理計画を作っておかないといけません。飲食店の皆さんが作成するのは、A4で2枚です。1枚が、一般的衛生管理のポイント、もう1枚が重要管理のポイントです。一般的衛生管理は7項目、重要管理は大きく3つのメニューに分けて作成します。

●記録する用紙があるの?
 記録用紙も、一般衛生管理と重要管理の2種類です。計画書の一般衛生管理7項目及び重要管理の3つのメニューについて、正しくできたかどうか、「良」か「否」の何れかに〇をつける用紙です。基本、「良」しかつかないかと思いますが、万一、問題やいつもと違うことが起こったときに、その内容やどのように対処したかを具体的に、特記事項の欄に詳細に記録して、残しておくことが重要です。施設や設備(ハード)の新設や変更は必要ありません。
  決して難しく考えず、わからない時には保健所に相談しましょう。(様式は日本食品衛生協会のウェブサイトからダウンロードできます。)

手引書は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
事業者がHACCPに沿った衛生管理に取り組む際の負担軽減を図るため、食品等事業者団体が作成し、食品衛生管理に関する技術検討会で内容を確認した手引書を掲載しています。
実施記録の記載例






食品の話調理場の衛生管理2022-02-28

令和2年6月から義務化されている「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に一般衛生管理として衛生的な調理器具の管理や交差汚染の防止等が定められています。調理場での衛生管理が不十分だと、鼠や虫の発生や食中毒の原因となることがありますので、洗浄・消毒を十分に行い、清潔に保つようにしましょう。

器具の洗浄・消毒
細菌は食品の残渣を栄養源として増殖します。日々の洗浄が不十分だと、汚れが熱や乾燥によって変性し、洗浄が難しくなってしまいますので日常的に汚れを残さない事が大切です。使用の都度洗浄・消毒するようにしましょう。
また二次汚染防止のため、まな板や包丁等の器具類、ダスターは用途別に使い分けるようにしましょう。色分けや用途を記入しておくと区別が容易です。

設備の洗浄・消毒
一日の作業終了後にシンクや床等の設備も清掃しましょう。シンクや調理台は中性洗剤等で洗浄し、特に手が頻繁に触れる所についてはアルコールを浸したペーパータオル等で拭きあげるとよいでしょう。また、床が濡れている状態は細菌やカビの原因になるほか、水が跳ね返って食品を汚染してしまう恐れもあります。清掃後は水切りを行うなど、乾いた状態を保つようにしましょう。
 段ボールは害虫や鼠のすみかになりやすいので、厨房に置かないようにしましょう。床に物を直置きしないようにし、清掃しやすいようにしておくと良いでしょう。

従業員の衛生管理
調理する人を介して食中毒が起こる場合があります。調理する従業員の健康管理・衛生管理に注意する事が大切です。 
・調理場専用の履物 
・衛生的な服装(清潔な白衣や帽子の着用) 
・定期的な検便検査等の実施 
・正しい手洗い
等を心掛け、人を介しての汚染が起こらないように注意
しましょう。